最終処分場

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下痢・腹痛を回避するための生活習慣

はじめに

年齢が30代に突入したごく最近まで、私は生まれつき胃が弱い人間で、将来に渡ってこの性質は改善できないと思っていました。

例えば高校生の頃は朝6時に起きて、7時頃の電車に乗り、8時頃に高校の最寄り駅に着くようなライフスタイルだったのですが、この電車で腹を壊す確率が極めて高く、いつも憂鬱でした。幸い漏らしたことはなかったのですが、特に激しく腹を壊したときは1時間の乗車中に途中下車して、用を足してからまた電車に戻る……ということもあり、そうなると朝8:30のホームルームにギリギリになってしまっていました。腹さえ壊さなければもっと家で寝てられるのに、と自分の腹の弱さを恨んでいました。

大学生になっても、社会人になっても、それなりの確率で通学通勤の電車の乗車中に腹を壊すことがあり、その日一日をコンディションが悪い状態で迎えていました。

そんな私が今ではあまり腹痛を起こさないようになりました。その契機は、コロナ禍でリモートワークになったことによって通勤時間をすべて睡眠に充て、睡眠時間が6時間から8時間へと大幅に伸びたためでした。私はソフトウェアエンジニアで、ありがたいことに今もずっとリモートワークができています。

睡眠時間が改善すると、腹痛が起きる頻度は半減しました。私の腹痛の大部分の原因は睡眠時間の少なさに由来するものでした。 しかしそれでも、腹痛が起きる日はありました。腹痛の回数が減ると、それまで数が多すぎて気にもできなかった1回あたりの腹痛の原因が気になりだしました。

「なぜこの腹痛が起きたのだろうか?」

私はその日の自分の行動を振り返るようになりました。

以下に、「◯◯をすれば、もしくは△△をしなければ、腹痛を回避できる」、と私が結論付けた行動を記載しておきます。私は医者ではなくただのエンジニアなので、医学的に間違ったことを言っている可能性もあります。また、読者のライフスタイルや遺伝的な形質によっては、腹痛解消の参考にならない可能性もあります。その点を留意した上で、参考程度に読んでください。情報として私の実体験だけでは心もとないので、下痢・腹痛が起きる原因についても調べて載せてはいますが、反証となるデータがある場合は確認の上で記事を訂正するため、お知らせください。

また、私は酒を飲まず煙草も吸わず、強いストレスに長期間晒され続ける状態に置かれることもなかったため、そういった私が経験していない、他の腹痛となりうる要因についてはこの記事では記載していません。実体験を伴わない内容は、私が書くには不適切であると判断しました。

下痢・腹痛を回避するためにやっていること

食べ物編

不溶性食物繊維を摂る(野菜ジュースで野菜を摂った気にならない)

不溶性食物繊維は、人体で直接分解できない食品成分です。その代表は理科系の授業でも登場するセルロースです。分解できないため、「別に栄養が体に吸収されるわけでもないし摂らなくてもそんなに問題ないのでは?」「野菜の栄養を摂るのは野菜ジュースで問題ないのでは?」と思ってしまうかもしれませんし、実際私は以前そう思っていました。この不溶性食物繊維は、腹痛を起こさなくするために摂るというよりは、下痢っぽくない、良い硬さの便をするために必要不可欠です。不溶性食物繊維が取り除かれた野菜ジュースで野菜を摂った気になっていると、便がゆるくなってQOLが大幅に下がります。

食物繊維の中には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があり、水に溶ける水溶性食物繊維の方はゆるい便に対して効果が全くありません。「食物繊維が含まれている」と謳っているサラサラした舌触りのジュースを飲んでも、そのジュースに含まれているのはおそらく水溶性食物繊維のため、軟便解消には全く寄与しません。むしろ逆に、便秘気味の人の便をゆるくする効果があるらしいです。実際、軟便に対して効果がなかったことは私の体で実験済みです。ご注意ください。

また、これはあまり実体験に基づく情報ではないのですが、不溶性食物繊維は消化できない食品であるため、胃腸がめちゃめちゃ弱っている時にはかえって負荷になってしまうという情報も見かけます。あくまで、体調が普通の時に理想の便を出すために必要なものと理解して、何を食べても下痢するような時には後述の山芋入りのおかゆなどを食べた方が良さそうです。

辛いものを避ける

腹痛を起こさないためには、辛いものは原則避ける必要があります。 「松のや」という有名なとんかつのチェーン店があります。そこのメニューに「ロースかつカレー」という商品があって、私はこのカレーが好きでよく食べていましたが、問題がありました。カレーが地味に辛いのです。そして何度もこのカレーを食べるうちに、私の場合はこの地味に辛いカレーを食べると、お腹を壊す確率が極めて高いことがわかりました。体調が絶好調、HPが100%ある時は食べても問題ないのですが、HPが90%くらいの日はもうダメでした。年齢を重ねる毎に100%の体調を維持してカレーを食べることが厳しくなったため、次第に私はこのロースかつカレーを避けるようになりました。

キャベツを食べる(ビタミンU・キャベジン

しかし腹を壊すと分かっていても「ロースかつカレー」の魔力に逆らえず、食べたくなってしまう時がありました。その時に、腹を下さずにかつカレーを食べる裏技を私は発見しました。その裏技とは「ロースかつカレー」と同時に「キャベツの千切り」を注文して食べるというものです。最初は「キャベツに不溶性食物繊維が含まれているからこれでなんとか便を固めて下痢を誤魔化すことはできないか」と願って同時に食べていたのですが、同時に食べることで、そもそも腹痛が起きなくなりました。その理由は不溶性食物繊維ではなく、キャベツに含まれているビタミンUという成分が理由のようでした。ビタミンUは別名キャベジンといい、「キャベジンコーワα」などの商品になっていることからも推測できる通り胃腸を強くする働きを持ちます。

キャベツにはキャベジンが含まれている上に、便を固めるための不溶性食物繊維まで含まれています。腹痛しがち、下痢しがちの人間にとってはTier1の食品です。 皆さん、キャベツを食べましょう。キャベツはいいぞ。外食で簡単に摂取できる手軽な点も高評価です。

牛乳を飲みすぎない

私は一時期、粉を水に溶かして飲むタイプの完全栄養食をサブスクしていたのですが、粉を水で溶かして飲むと味が悪く、沢山の量を飲むのが大変に苦痛でした。 そこで工夫して無糖ココアと牛乳と水を混ぜて味を整えて飲んだのですが、そうすると今度は確定で腹痛が起きるようになりました。 おそらく理由は、その中に入れたマグカップ2杯分程度の牛乳にありました。牛乳には乳糖という成分が含まれているのですが、人によってはこの乳糖が十分に分解できず、その症状を「乳糖不耐症」というようでした。この乳糖が浸透圧で腸内の水分を引き寄せ、腸の不調を招くようでした。

普通に飲むと苦痛で、味変したら腹痛。その完全栄養食は私にとって最悪の食品になってしまったので、サブスクは速攻で解除しました。

今は朝にカフェオレを作って朝に飲むのが日課になっているため牛乳自体は普通に買うのですが、分量には注意して飲み過ぎないようにしています。

畜産の情報−牛乳を飲めない人のために−1993年7月 月報国内編

脂の多い肉は少量だけ食べる

高価な、脂が乗った霜降り肉を沢山食べると腹を壊します。脂肪は分解に時間がかかるため、食べ過ぎると分解されず、腸にまで届き、腸のぜん動を促進し、下痢を引き起こします。 食べたくても我慢しなくてはいけないつらさよ。

鳥刺しを絶対に食べない

鳥刺しを食べるということは、ロシアンルーレットの引き金を引くのと同じことです。同じお店で同じ皿をつついていたとしても、大丈夫な人とダメな人が現れることがあります。私はそのダメな人の方でした。

鳥刺しが激しい腹痛を引き起こす原因はカンピロバクターという菌なのですが、このカンピロバクターには厄介な性質が2つあります。1つは腹痛が起きるまでの潜伏期間が長いこと、もう1つはギランバレー症候群という難病を引き起こす可能性があることです。

カンピロバクター感染症には潜伏期間が2-5日あるため、腹痛が起きたとしても、医者でない人はその原因が鳥刺しであったことに気付ける可能性は低いです。私の場合は4日間の潜伏期間があったため、鳥刺しを食べたことを完全に忘れており、医者に言われるまでは前日に食べた半額の寿司が原因ではないかと疑っていました。カンピロバクター感染症は下痢・腹痛・発熱等を引き起こしますが、医者に行くのもしんどい症状なため、一人暮らしの人は医者にかからず済ませる可能性があります。

カンピロバクターのもう1つ、本当に厄介な性質は、0.1%の確率でギランバレー症候群という難病を引き起こすことです。0.1%というと少ないように思うかもしれませんが、1000人に1人です。まぁまぁの確率です。ギランバレー症候群は手足にしびれが生じ、動かせなくなるヤバい病気です。私の場合はカンピロバクター症の後に足に痺れが起きて、それでクリニックに行ったのですが、医者は血相を変えた顔で「今より足が動かしにくくなってきたりしたらすぐに大きな病院にかかってもらって!」とでかい病院の紹介状を書いてくれました。幸い痺れが進行することはありませんでしたが、ガチで怖かったです。もう二度と鳥刺しは食べないと心に誓いました。

「医者はファーストフードを食べない」とかの怪しいデマ情報を流す人がいますが、本当に医者が食べないものは鳥刺しらしいです。

ニンニクを食べすぎない

ニンニクには強力な殺菌作用があります。食べすぎると腸内の細菌が大量死してバランスが崩れ、腹痛を引き起こします。 加熱したものなら1日4片まで、生で食べる場合は1日2片までなら安全と言われていますが、私はもうちょい行けるのでは?と思っています。もちろん人によると思うので、基準を守るのは大事です。 私は加熱済みのニンニクを10個程度食べて腹を下したことがありますが、私の友人は、酒が入ってる状態で私がやめろと言っているのに加熱済みニンニクを20個以上食べて、翌日にびっくりするくらい腹を壊したそうです。皆様はお気をつけください。

消費期限がギリギリのものを食べない

何食っても大丈夫な人も世の中にはいるかもしれませんが、これを読んでいるあなたはおそらくそうではないので、消費期限がギリギリのものは捨てましょう。 捨てるのはもったいないですが、それを食べた時に発生する腹痛のリスクを常に念頭に置いて、天秤にかける必要があります。危ないものは捨てましょう。

量を食べすぎない

値段が一緒だからといって常に大盛りを頼まないでください。本当にその大盛りはあなたにとって必要ですか? 腹八分目は医者いらずです。肝に銘じましょう。

胃の不調を感じたとき、山芋が入ったおかゆを食べる

いかに食べ物に気を遣っていても、寝不足だったり病気だったりで胃腸が弱る時は存在します。そして、キャベツは胃弱人間にとって夢のような食品ではありますが、不溶性食物繊維も多く含むために、胃腸の調子が元から悪い時に食べるのに適切かは疑問が残ります。

その時に食べるべきは山芋入りのおかゆです。バズレシピのお兄さん、リュウジ氏が紹介する無限粥がバチグソにおいしいので、これを作って食べるのがスーパーオススメです。体調不良の時に新しいレシピの料理に挑戦するのはあまりにもしんどいので、体調が良い時に一度事前に作っておいて、手順を知っておくのが重要です。将来のシステム障害を予測して事前に復旧手順を準備しておくのと同じことです。このおかゆはおいしいので、体調不良でなくともおいしく食べることができます。また、この動画中のおかゆでは卵黄に火を通していませんが、体調が悪い時は念の為卵にすべて火を通しておく方が良いでしょう。

ウマすぎてもう夏バテが怖くない。食欲がなくても毎日食べられるやみつき味【無限粥】 - YouTube

山芋にはデンプンを分解する消化酵素のジアスターゼが豊富に含まれており、粘りの正体である粘性の多糖類が胃腸の粘膜を保護してくれます。体調不良の胃弱人間の救世主で、キャベツと同じくTier1です。胃腸の調子が良い時はキャベツを積極的に食べましょう。逆に悪い時はおろした山芋をベースにした食べ物を食べましょう。これが私の答えです。

おかゆを食べるほどじゃないけれども少し胃腸の調子が悪い、という時に、私が作るアカン飯を紹介します。

山芋すりおろし150g + 新鮮な生卵を溶いたもの1個(+味の素+醤油) + ゆでたオクラ5本の輪切り + 納豆1パック + めかぶ50g + ニンニクおろし1欠分

これをすべてボウルにぶち込んで、塩味がちょうどよくなるまで少しずつめんつゆを入れて調整したら完成です。これとご飯をあわせて頂きます。2人分くらいになると思います。卵に味の素と醤油を足すのは、要するに卵かけご飯の卵を作っています。ニンニクはめかぶの臭みを消すために入れてます。混ぜた見た目は最悪で、というかどう見てもゲ◯で、あまり食欲はそそられないですが、一口食べてみれば味は非常においしいくて、食べる手が止まらなくなります。元気がない時にかなりおすすめです。

胃の不調を感じたとき、普段より特によく噛んで食べる

胃腸がめちゃめちゃに弱ってるのに、料理を選べず、相手に気を遣って出てきた料理を食べるしかないシーンもあるかもしれません。そういう時はとにかく普段より3倍くらいよく噛んで食べることが大切です。噛めば噛んだだけ胃腸の負荷を軽減でき、腹痛のリスクを低減できます。「よく噛め」とはよく言われますが、なかなか常日頃から意識することは難しいです。しかし胃腸が悪い時だけでも、よく噛んで食べてみてください。

胃の不調を感じたとき、冷たいものは食べない

胃が不調な時は冷たい飲み物やアイスなどは避けましょう。多分これは小さい頃にみんな知ることになるし当たり前のこととは思いますが一応書いておきます。

食べ物以外編

睡眠時間をちゃんと取る

「はじめに」でも述べましたが、私は睡眠時間を6時間から8時間に伸ばすことで劇的に腹痛の回数が減りました。腸の動きは自律神経によってコントロールされているらしく、おそらく私の場合は睡眠不足によって自律神経が乱れ、「過敏性腸症候群」が発症していたのではないかと思います。6時間は十分な睡眠時間であると過去には思っていたのですが、どうやら私の場合は十分ではなかったようでした。

過敏性腸症候群(腹痛・下痢)|東京都葛飾区の綾瀬中央診療所

起きた後すぐに朝食を食べない

睡眠時間がちゃんと取れず、「過敏性腸症候群」が発症していた時は起きた後すぐ朝食を食べない方がマシであるという結論に達しました。その時の名残で今も朝食は基本的にずっと抜いているのですが、ただ、十分な睡眠を取れるようになった今なら朝食を食べても大丈夫かもしれません。睡眠が十分とれない人は朝食を抜いてみるのは一つの手だと思いますが、この項目はあまり確証がありません。

寝る前に歯と舌を両方みがく

歯を磨くのは歯を守るために普通に大事ですが、腹痛を防ぐためには舌まで磨くのが良いです。口の中には多数の細菌が生息しているのですが、これが唾液とともに腸に送られると腸内のバランスを乱すと言われています。舌まで磨くことで、唾液から取り込まれる細菌の数を減らすことができます。舌まで磨くようになってから、朝起きた直後の腹痛のリスクが減少した実感があります。

歯を磨いて舌まで磨くのは面倒でもありますが、少しでも時短をするために電動歯ブラシは絶対使いましょう。あと舌を磨くのには舌用のジェルと、舌用のブラシを使うのがオススメです。金属のヘラみたいなもので舌苔を落とすのはオススメできません。舌が傷ついて血が出ます。

朝起きたら口をすすぐ

歯と舌を両方磨いたとしても、口内の細菌は夜間に繁殖します。そのため、朝起きたら、口をすすいでそれらの細菌を洗い流すようにしましょう。朝食などを食べたり、飲み物を飲む前に口をすすぐのが大事です。朝起きたら、唾液を飲み込む前にすぐに口をすすぎに行くくらいの気持ちでいてください。

痰をなるべく飲まない

痰は気道や肺を守るための人間の機能の表れですが、ここには細菌・ウイルス・ほこりなどが混じります。この項目も確証はそんなにないですが、口内の細菌を減らす施策と同様に、細菌を飲み込むと腸内のバランスを崩す可能性があるため吐き出すのが胃腸を守る上で無難であると私は思っています。ただし、外出時にアスファルトやコンクリートの道端にペッとするのは大変見苦しくて汚いのでやめましょう。ティッシュに出して処分してください。

腹を冷やさない

これは皆さんご存知かと思います。腹を冷やすと血流が悪くなり、消化活動や吸収活動がおそろかになって下痢の原因となるようです。

アレルギー物質を避ける

もしかしたら自分が知らないだけで、あなたは何かの食品のアレルギーを持っていて、それが腹痛や下痢の原因になっているかもしれません。私の場合は花粉症の治療をする時に、一緒にアレルギーの検査をしましたが、自分が知らなかったアレルギーが検出されました。私の場合はゴマのアレルギーが少しだけ出ていて、それ以来ゴマはなるべく避けるようにしています。

おわりに

キャベツと山芋はいいぞ。この2つは私の中でTop-tierですが、例えばニンジンとかブロッコリーとかも胃腸には良い食品ですし、偏食にならずバランスの良い食事を意識していくのは胃腸のみならず健康のために重要なはずです。あまり不溶性食物繊維を摂取しすぎても便秘の原因になったりするので、バランスが大事です。

さて、この記事はいかがだったでしょうか。何か一つくらいはあなたの役に立つ知識を提供できたら幸いです。